若杉聖子の白磁。

2016 12月17日.土 ― 12月25日.作家在廊日17日(土)
open 11:00ー18:00 定休日 21日(水)

若杉さんが、一年間の文化庁派遣のフランス留学から帰ってきて、京都でお会いした。
昨年の暮れに“一年後のクリスマスの個展ですが、いいですか”の一言で本当にやって下さることになったのです。
受け入れ先のフランス リモージュの学校は、窯業地ということもあり、若杉さんの仕事である鋳込みの設備が、整っていたそうです。鋳込みの仕事は、溶かした土を型に流し込み、焼き上げて型から外したあとは、ひたすら磨いて仕上げるそうです。若杉さんの作品から、僕が感じる、鋭さと、柔らかさ、奥が透けているように見える白磁は、こうした手をかけた仕事からうまれてくるのでしょう。

滞在中は、制作だけでなく、積極的にたくさんのものを見て、いろいろな経験をし、想像力を活気させていたという若杉さんですが、一人異国で暮らすことで、日本を意識するようになり、様々な場面で「違い」を感じ、そのことにより日本について考えるようになったと。

若杉さんは、この写真のようなオブジェのほかに、うつわも多く作られます。このことについて、オブジェのようなアート的なものは、自分の好きなように表現できる。一方うつわは、アートとして見られない傾向もありますが、日本の陶芸は、うつわから始まっているともいえる。うつわのような日常のものを作ることは、制約があるので、そのことでより自分が鍛えられる、という若杉さん。この言葉は、フランス留学で、日本を意識したということと、通じるように思いました。

今回、初めての場所なのでオブジェ、花器から、うつわやポットまで、色々持ってきてくださるとのこと。うれしいです。
若杉さんは、人にはない世界を表現されてハッとさせられます。びっくりしてたじろいではいられない。フランスに行ってそのすごさが増してきたというより、もっと本質的なものを感知して形になっているのではと思います。
2016年12月1日 店主 たかはしたいいち

若杉聖子
1977 富山県富山市に生まれる
2000 近畿大学文芸学部芸術学科陶芸コース卒業
2002 第6回国際陶磁器展美濃(05審査員特別賞)
2003 多治見市陶磁器意匠研究所終了
2007 工芸都市高岡クラフトコンペティション(奨励賞)
第4回京畿道世界陶磁ビエンナーレ(韓国)
2013 「富山ゆかりの作家たち展」(楽翠亭美術館)
2014 第9回パラミタ陶芸大賞展(パラミタミュージアム)
「融合する工芸」(銀座和光ホール)
2015 文化庁海外派遣によりフランス留学
2016 10月帰国

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06. 12月 2016 by STAFF
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