青木憲二のコラージュの仕事
2026.8.8(土)ー8.16(日)
11:00-18:00
12日(水)定休


青木憲二さんとは不思議な出合いであった。実は青木さんは湯河原の福浦で生まれ、東京から戻って小田原の南町に住んでいた。ジョセフ・コーネルの影響を受けてコラージュの制作を始める。これは彼の一生の仕事となった。小田原では出版や、カレンダーを作っていた文化堂印刷での生活の仕事にたずさわっていたこと。木村伊兵衛を受賞したカメラマンの渡辺兼人と親交が深かったこと。彼は四谷シモンの弟である。また憲二さんはカメラマンの武田花さんとも友人で、菜の花で「猫の写真展」をやってもらった、彼女は武田泰淳の娘さんであった。
そして、青木憲二さんの妻、佐世子さんは、できたばかりの和菓子菜の花で、僕の大好きなお菓子、バナナケーキを数十年もの間、作り続けて菜の花を支えてくれた人でした。
ちょうどそのころ、憲二さんがジョセフ・コーネルの影響で作り続けていた、コラージュ作品、写真を切っては貼り付け、構成して一度だけ展覧会をやったことは覚えています。今も手元にあります。奥さんが好きでした。その時僕は、ジョセフ・コーネルを知らなかった。アッサンブラージュの先駆者、箱の中にアバンギャルドな世界をつくったアーティストであった。
そして憲二さんは驚いたことに、この20年間の間に亡くなる前にこつこつと新たな独自のコラージュをつくっていたのです。人に知らせずに本当にこつこつと写真を切り、貼り付け、刺繍をし、ビーズを縫いつけて、型を構成してハッとするような世界をつくっていたのです。作品38枚。誰にも見られることなく、彼の部屋にあるのをみつけました。思い出してみると、憲ちゃんと最後に会ったときに、近くの書店、南十字によく行くと言っていた。
そんなこともあって、今回、うつわ菜の花をメイン会場に、南十字にも展示をして、2店で開催します。
第2会場
南十字
小田原市南町2-1-58
笑達の絵。野口寛斉の陶。
笑達の絵。野口寛斉の陶。
2026年6月19日(金)―6月28日(日)
11:00-18:00
24日(水)定休
作家在廊日 19日(金)20日(土) 19日は終日、20日は午前中のみ在廊されます


笑達さんは、京都の四条祇園の鴨川あたりで似顔絵を描いていたのではないだろうか。僕もよく通っていたようだが。今を描くこの人の絵を見ていると、スケールの大きさを感じてくる。山の尾根の上をノソ、ノソと歩いていく。それも陽が影っていく方向に向かって帰っていくような気がしてくる。そして描き始めるのでしょう。その風景がどうしても消えずにのこり、行ってみたかった。ドキッとするような手と、その手の内に在る宝石。僕でいえばお茶をたてた茶盌か。いただくといったものが描かれていく。僕にとっては第一回目の有楽町でのアートフェアで会って即、会をやりましょうと声を掛けた人だった。
もう一方は野口寛斉さん。プロミュージシャンとして活動開始をして渡米し、イサムノグチ作品と出合い、音楽に区切りをつけ彫刻家の元で造形をし、作陶をはじめたと。そのアートフェアで同時に置かれてあり、そこでは本人と会うことはなかったのですが、僕の友人が野口寛斉さんのやきものを気に入っていて買い、僕もスケールの大きさ、生き方があふれる思いをもった人と感じ合い、特に黒の紋様が、こちらの心をおさえてくるなと思った。
日本人にはない造形で、おもしろい。この二人をとり上げての展示をいたします。
髙橋台一
「井上有一の字」
2026年6月6日(土)-6月15日(日)
11:00-18:00 10日(水)定休


井上有一がこの世を去ったのは、1985年6月15日のこと。
例年にない大梅雨の中だったと聞く。
井上有一最後に書いていた宮沢賢治の詩。「虔十公園林」を出して見ましょうか。これは信州追分の海上雅臣さんの自宅に泊めてもらって帰り際に、茶室に掛かっているよと聞いて、3度読み上げて涙し、もらいうけて帰って来たもの。こんなことがあるんですね。
大きな「花」はうつわ菜の花のお店に掛け、「貧」と「愛」はどこに掛けるか決めていない。以前黒田泰蔵さん宅の庭に置いて撮影した、1m角の「愛」は、たたみの部屋にでも置いて、「母」はどこに置けるかわからずのまま持っていきます。
そして「顔真卿臨書」も出したいと思う。
髙橋台一
photo/hiroshiyahata
常滑 鯉江明
2026年5月1日(金)ー5月10日(日)
11:00-18:00 6日(水)定休
作家在廊日 1日(金)2日(日)10日(日)

鯉江明君と出会ったのは、鯉江良二さんが愛知県の設楽町の金子潤のアトリエに工房を移転して、愛知県立芸術大学の助教授になった頃である。明君も夏休みで父親のところにいた中学生だった。夏なので多くの友人が集まっていて、僕は和菓子屋でもあったので「くず切り」をつくって差し上げたら、すごく喜んでくれたのがこの人が明君だったのでよく覚えていた。
金子潤のアトリエは良いところだった。鯉江さんの破れた陶板の器を38枚ほど勝手に外に出し、壁に展示して良二さんに見せたら、全部お前にあげるよと言われて持ち帰った。良二さんのその時の設楽での陶板の原基が明君に芽生えていて不思議である。キチッとした向かい方や、ガチッとした姿勢がやきものにのりうつっていて、気持ちが良い。
茶碗がなかったので送ってもらったら、まだ今回のは焼けていなくて、前のではありますが楽しめそうである。この数年、明君がつくる世界が明らかになってきていることに感動をおぼえるんです。まだ形になっている由ではないのですが、すごくどっとくるところまで来ているなと思っているのです。どこかで形となって表れてくるかわかりませんが期待しています。色合いでも独自に産まれてきていますが、これからおしすすんだ世界が開かれていくんだと思います。
2026年4月14日 髙橋台一

川口淳の色絵
色絵近彩楽園文華胥の夢日器
2026年4月18日(土)―4月26日(日)
11:00-18:00
22日(水)定休
作家は全日在廊されます(13:00‐17:00)

川口淳さんは陶器の世界の中で異質だ。全体を取ってみると壮観だ。
ただおもしろく描いている由ではなく、変わりながら遊んでいる由でもなく、でももしかしたら、何年もやっていて、おもしろく、遊んでいるのかもしれなく思えてくるのが不思議だ。もしかしたら、何十年か前の描かれたものを見ていて、ちょっとずつ違っているのですけど、でも世界はゆずることなく、川口淳の世界をもって動いている。楽しんで、だれよりもやっている。いまの時代から見ると、おもしろいことにちがいはない。こんな方がいたんだと思うにちがいない。そして値もそう変化なく、変わらないそうなんです。この人にとって陶に描くことが本当のたのしみなのかもしれない。会っていて、そう思いました。
この方は、楽しんでつくり、自分のことを思いながら生きて、遊んでいるようにおもしろく生きている。その世界自分の手で構築することで人を喜ばしフト去って行く人だ。不思議な国からやってきた異人だと思う。
貴方が持つ人になったら、楽しい。僕は今回お茶事につかってみたい。
淳さんの茶入から抹茶を入れ、淳さんの茶碗でお茶を立てておもてなしをしたい。
祭風洞 田代道彌 見立ての茶の楽しさ。
田代道彌さんのコレクションをご紹介するのは3回目です。
少年時代から古陶磁に関心があり、長じてはアジア各地で見つけた愛蔵の品々で、茶会を催してこられました。「強羅公園」の園長として永くやってこられ、箱根小田原の茶室保存運動にも力を注がれました。
田代さんが、歴史や自然の知識をもとに選び取られた、見立ての茶の道具たちは、風雅で味わいがあり、毎年6月と11月に主催される松永耳庵の茶会、益田鈍翁・野崎玄庵の茶会には日本各地からたくさんの人がやってきます。その席でつかわれてきた道具を、好きな方たちに持ってもらいたいと思います。
今回初めて軸装して展示する、耳庵さんの手紙などもあります。楽しみです。
今年の耳庵茶会は6月16日、鈍翁・玄庵茶会は11月29日です。こちらもお楽しみに。


川添微のエメラルド
2026
4月10日(金)ー4月14日(火)
11:00-18:00(最終日14日は15時close)
会期中無休
作家在廊日
10日(金)11日(土)12日(日)14日(火)

VIBES
自分が美しいと思うもの。
自分以外の何かに流されるのではなく
自分の直感に忠実に生きているかどうか。
地球から生まれたままの姿の
エメラルド原石。
”ありのまま”を見せる原石から
あなたはどんな波動を感じますか?
川添微

川添微さんは、昨夏もコロンビアへ行ってきた。
現地で見ることで、エメラルド原石のエネルギーを感じ、選び取ってくる。
毎年通っていても、毎回が真剣勝負。素晴らしい原石に巡り合い、良いものをたくさん手に入れられたそうだが、それでも円安の影響などで、泣く泣くあきらめる石もあるそうだ。
バリの工房に持ち帰った原石は、翠にこんなにバリエーションがあるのかと驚くほど、色と輝きに個性がある。それをいかした微さんのデザインをまとってエメラルドジュエリーとなり、日本へやって来る。
国を跨いで活動する微さんにとって、基準は自分。激動する世界情勢の中で、自分を信じて選んだものが、自分にとっての正解であり、それをわからせてくれるのが、エメラルド原石だという。
僕にとっても、自分が選んだもの、いちばん良いと思うものを紹介しているのがうつわ菜の花であり、そこが微さんと菜の花をつないでいるんだと思う。
エメラルド原石のエネルギーと、それに共鳴する微さんのエネルギーとの出会いを、ぜひ会場で感じてください。
髙橋台一
渡辺愛子の信楽
2026年2月28日(土)ー3月8日(日)
3月4日(水)定休
作家在廊日 28日(土)


渡辺愛子さんの信楽が好きなんです。
まじめなところもあるけれど、おもしろいんです。なんですかね。
この人には、何か新しさがあるんです。伝統的なものをしっかりとつかみながら新しさが、不思議と釉の中にあらわれ出てきます。粉引もよく使っているとくすんでくるのですが、そしてまだまだ使うんですが、そうしてもいやにならずに、底の方がゴトンゴトンとしていて音楽が流れてきそうなんです。なぜなのか、本人には尋ねていませんが、ホッとするんです。そして味がついてきますがいいんです。どこまで続くかわかりませんがつづくんです。
この方の茶盌の良さは、使う人の気持ちをしっかりと見極めて、つくっているのでしょうね。だからおもしろいのですね。
髙橋 台一



