津田千枝子の『型染めの布』展

●津田千枝子の『型染めの布』展

2010年 10月23日/土 -11月1日/月

作家在廊日 23、24、26、29、30、31の各日
OPEN 11:00 ー 18:00
定休日27日(水)

私の染色のことですが、技法的にはオーソドックスな型染めです。最近はインドの工房で、泥糊を使った泥防染で染めることも少ししています。
特徴は何かなと思うのですが、私の場合、様々な表情のある布に型染をしていることかと思います。
ラオスの谷さんの布を始め、日本の栃尾の生紬や、インドの工房にオーダーして織ってもらう布、ミャンマーの蓮の布、フィリピンのパイナップル布等々、白生地で見るだけでも美しい布をそこなわないように、布の力を染めの段階でなお、引き出せたらいいなあと常々思っています。
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上記のDM写真用作品の説明文が届いたのだが、どうしても、会ってお話を聞きたくなった。
ミャンマーから昨日、帰って来たばかりの津田千枝子さんと会ってきた。「これが蓮の布なんですよ。これをもらい受けに、2年に一度行くんです。」とドンと置かれた。その織りの荒々しさとざっくりとした肌ざわりに、こんなものでいいのかと驚いていると、「かつて日本でも蓮の葉の繊維から織られていたのかもしれないんです。当麻寺の中条姫が織ったと言われるマンダラの残欠が蓮糸で織られたと伝えられているんです。(実は麻布であったこともわかったのだが)現在は、唯一ミャンマーのインレー湖の湖上に住んでいるシャン族によって織られているんです。」
本来は仏さまに奉げる布なんですね。でも、そこまでたどりつくには、飛行機を乗り継ぎ、ボートにゆられること数時間。でもその道行きが楽しそう。そこら辺の話をしていると案内状にならないので話を戻します。
津田さんの手にかかると、布の表情が一変する。蓮布、タッサーシルク、ギッチャにしろ、型染とはいっても自由に枠からはみだして、自在である。古色かなと思うとモダンでシックな味わいである。一体どこから来ているのか。そこに津田さんの型染めのとらえ方、素材の生かし方、その出会いの仕方に、直感的に探し出す力が秘められている。軽やかに、幸運をつかむように運命づけられているようだ。
津田さんの身辺は、最高の水準の人たちに恵まれていますが、津田さんのすごさは今までの評価や権威にとらわれず、自分の納得のいくまで素直に作りだし、僻地まで布さがしをされて、つくり手、織人と出会っていることではないだろうか。それも楽々と楽しんで。
手から手に。それもローカル同志がつながるグローカルというそうですが、そんなつながり方をしているのが魅力である。
初日はそんな話も聞けそう。
菜の花店主 たかはしたいいち

津田千枝子プロフィール
1974年 東京芸術大学 美術学部絵画科卒業(日本画専攻、新創作春季展入選
在学中から紅型を始め、卒業後、友禅を吉田勇四、藍建てを菅原匠、中島安夫、
型彫りを田所実、また工芸全般について内藤四郎の各氏に学ぶ
1975年 銀座 村松画廊にて個展
1979年-1980年 ニューヨーク在住
1987年 伊勢丹浦和店美術画廊にて個展
美術史家の夫に同行してヨーロッパの中世美術を訪ね歩く(以後2002年迄毎年)
1994年 インド、アーメダバード、国立デザイン研究所「日印染織シンポジウム」に参加
1996年 広尾 古玩堂にて個展
1997年 インド、アーメダバード、国立デザイン研究所「日印染織シンポジウム」に参加
1999年 インド、ブバネッシュワール、第3回国際野蚕学会で講演とワークショップを行う
2000年 山梨 ギャラリー歩ら里にて個展
2003年 インドネシア、ジョグジャカルタ、第4回国際野蚕学会で講演とワークショップを行う
各地にて個展、グループ展多数。現在、桐朋学園大学講師

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15. 10月 2010 by STAFF
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