井上有一の書
2019年6月8日.土― 6月16日.日
定休日 12日
OPEN 11:00―18:00
● 会場は、うつわ・菜の花に変更になりました。
井上有一は、何回企画してもおもしろい。本質があるからなのですが、どこからひっぱり出しても、人の心に痛いものを残していく。こんな人がいたんですね。
おもしろいと言いましたが、その中には、いやなものがないんです。
井上有一が戦争中、国民学校の代用教員をやっていた頃、生徒の一人にいかりや長介がいた。後にテレビで長介がよく人をなぐる姿を、自分がモデルだったと認めて、テレビを恥ずかしがって見なかったと聞いたことがあります。井上有一は、長介にクラスの演劇会の監督をさせていたんですね。どうもいかりや長介を認めていたんだろうなと思います。
それが世に出てくる由です。このことも井上有一にとってはおもしろいことだし、自分には大切なことだと思った。
「くびがもげました もげたらもげたでいいじゃないか」と書いたものがある。文字を書いていて、筆の首がもげてしまって、大きな字でそのことを書いていったものなのです。見た時おもしろいと思ったのに、手を出そうとしてやめてしまった自分がいた。その後欲しくなったらもう無いという。何枚も残していったと言うのに無いのですね。
今回、数も少なくて「うつわ菜の花」での展示に変わったのでごめんなさい。
でもじっくり見て下さい。そして手に入れてください。後から欲しくなっても、もう無いということもあるかもしれませんよ。
2 019年5月25日 店主 たかはしたいいち。