・竹染の布。秦泉寺由子
2 0 1 1 年 2 月1 1 日/ 金 - 2 月2 0 日/ 日
作家在廊日 1 1 日. 1 2 日 ¦ O P E N 11 : 0 0 ー 18 : 0 0 ¦ 定休日1 6 日(水)
・2 月1 1 日(金) 1 6 : 0 0 より
秦泉寺さんによるスライドレクチャーを開催します。
参加費1 , 5 0 0円 1 5名様まで
お問い合わせ・お申し込みは…うつわ・菜の花 T E L . 0 4 6 5 – 2 4 – 7 0 2 0
経済アナリストの藤原直哉が、「事に感じて瞬時に行動を起
こして成せる人は幸福な人だ。」という話をした。まさに秦泉
寺さんのことだと、はっとした。
35年ほどやっていたキルトを、英国のビクトリア&アルバート
美術館に永久収蔵された後、「私は食を始める」と言って、そ
こに真っ直ぐに向かっていった。
そのための家ができた時、呼ばれてすぐに雪の中、比叡山の
家に行った。大谷石を使った、台所というよりは広い調理場。
料理しながら食べられる。
土壁の風が通る茶室。何度も何度もやりなおした跡がうかが
えた。納得するまでにはどれほど時間がかかったことか。
寝室のキルトは、こんなりっぱなものをかけて寝ちゃあいけ
ないと感じるほどに素晴らしかった。しかし、よく眠れたのが
また不思議。キルトを生活の中で使うとは、こういうことかと
うならされた。
朝食には、旬なる野菜の美味しさ、滋養をいただいて帰って
きた。昨年の冬のことである。
今回は改めて、秦泉寺さんのプロフィールをたどってみた。気
になっていたあの白い竹染めのこと。
そのきっかけが、今井俊博さんの企画した「現代の道具展」で
あった。我が敬愛してやまない漆作家、角偉三郎とのコラボ
レーション。
私もそこに立ち合っていたのに、彼女のオーラが恐しくて斜
に構えて近づけなかった。角さんが「すごい人がいるんだよ。」
と何度も何度も言っていたのに…。20年も前のこと
一昨年、取り上げさせてもらって初めて、そのすごさを身にし
みて感じた。それはまず秦泉寺さん自体にだった。
あのコラボレーションで漆の朱や黒を前にして、それに負け
ない存在感のある色は何かとイメージしたものが「白」だった
とは知らなかった。
白い布に「白」を染める。バリの生活の身のまわりにある「青
竹でやってみたら」と啓示をうけた彼女は、かぐや姫の物語
のように竹が光り輝くかもしれないと思ったようです。でも失
敗は続いたようだ。
染め上がりはベージュ色になったが、洗って、洗って、洗ううち
に白くなり、干したら、太陽の光に当って、白の内に赤を内包
して、風にそよいでいたという。その時の感動は忘れられない
ようだ。
青竹によって布に魂が吹き込まれているのだろう。
それは精霊たちの宿るバリならではのこと。そして自然と交
感できる秦泉寺さんだからできることなのだろう。
僕は20年たってやっと出会えるようになった。
どうぞ元気をもらいに来ませんか。
秦泉寺さんのレクチャーもあります。
何日かは本人もおります。
梅香る、空の光の中で、見て、触れて下さい。
2011年1月吉日 菜の花店主 たかはしたいいち
秦泉寺由子 ジンゼンジヨシコ
1965 京都女子大学卒業/1968 -80 北米に滞在/1980「 ジンゼンジヨシコ・キルトグループ」結成/1983 ジャカルタにて「キルト展」開催/1991「 スタジオ・ジンゼンジーGRASS HOUSE」設立(バリ島・インドネシア)/1993 玉
川高島屋『現代の道具展』に始まる青竹染、天然染料の布、衣の展示会を、日本各地のギャラリー等で行う。/2005「 秦泉寺由子のキルトの世界」倉敷民芸館 岡山/2007「 秦泉寺由子 in Kouchi 特別展-キルトの世界 植物の神
彩」 牧野富太郎記念館 高知県立牧野植物園/2008「 QUILT Creation」秦泉寺由子のオリジナルプリントからキルトワーク 兵庫県立美術館
日本各地、ジャカルタなどで個展開催