陶素人(とうしろう)展
小田原在住の小説家、夢枕獏さんと、そのやきもの仲間3人の10年めの成果を発表するグループ展を開催中です。
初日から少し春らしくなり、地元を中心にたくさんのお客さまがいらっしゃいました。
4月4日まで開催。30日(水)定休。11時〜18時
十年経っても ・陶素人展
十年経っても ・陶素人展
夢枕獏・杉本正光・今井田光代・かくまつとむ
2011年 3月26日/土 - 4月4日/月
作家在廊日 26日(夢枕さんは全日、杉本、今井田、かくま各氏は午後より)、27日午後(全員)
OPEN 11:00 ー 18:00 | 定休日30日(水)
夢枕獏さんの山荘に行った。
岐阜の群上八幡から30kほどの上流。馬瀬川という、それはそれは、きれいな川の脇にあった。鮎が日本でも3本の指に入るところと聞いている。
10年前に釣りと陶芸をやるならこの場所だと岩手から古民家を移築して「酔魚亭」と名づけた。そこに釣り好きの4人のメンバーが集まり、今ではやきもの道にはまっている。「杉本さんがデザイナー、かくまさんが売れっ子のライターで今井田さんが編集者、夢枕獏さんがお調子者の作家で-」ということで「陶磁郎」をもじって「陶素人」という本まで双葉社で出してしまって10年。杉本さんは備前までいって、やきもの地獄の門をくぐり、今井田さんは食器の数もの組合せに熱心。獏さんは織部に徹して色合いがカッコいい。やきものしか出会えなかったかくまさんはやきもの師になってしまうんではないかと思えるほどの腕。四人四様である。
雪の中メンバー達と一晩飲み明かした。彼らのやきものをする喜びや、作品へのいとおしさが肌につたわり、何んともいえない。今回の出品作との別れを惜しんでいたのを目の当たりにしてしまった。そして、そんな作品達が今回、うつわ菜の花にやってくる。
彼らが言っている自画自賛のやきものを手に取ってみてもらいたいもの。
そして貴方もやきもの道の地獄に一歩入ってもらいたい。
手に入れて、ぜひ初日、鮨の会にも参加して下さい。
2011年 春 たかはしたいいち
夢枕獏・下手を楽しむ。下手を遊ぶ。失敗作を愛でる。今回もこれですね。
杉本正光 ・あれから早や十年。進歩もなく迷路を彷徨。これからも陶素人です。
今井田 光代・増えたのは生半可な知識と邪心。潔い陶素人魂、再確認の節目です。
かくま つとむ ・10年ぶりの“学芸会”は、皆様の広い心だけが支えです。
夢枕 獏 / 「陰陽師」シリーズなどで快進撃中の作家。'51年、神奈川県生まれ。釣り、山登り、写真と嗜む道楽は数多いが、「この道の深さは地獄」と溜息をつくのが、陶芸。遊房「陶素人」は、氏の隠れ家「酔魚亭」で産声をあげた。
杉本 正光 / グラフィックデザイナー。'34年、広島生まれ。広告、パッケージ、ブックカバーなどのデザインが日常業務だが、陶芸に出会ってはじめて”スポンサーのない創作”という喜びを知り、人生最上の解放感に浸っている。
今井田 光代 / 雑誌編集者。'59年、東京都生まれ。仕事柄、やきものの情報に通じるが、従来の買う立場に作る立場の視点が加わって、やきものの見方がかわりつつある。座談会の「唐九郎ピシャリ事件」は某アウトドア雑誌記者時代のこと。
かくま つとむ / 自然や工芸の分野を中心に活動するフリーのライター。'60年、茨城県生まれ。火を見ると胸躍る性格で、幼少の頃、近所の納屋を燃やした前科あり。"やきものは子供の科学”をモットーに、思いつき優先の自己流主義を貫く。
菜の花 暮らしの道具店 in 伊勢丹新宿
2011年3月2日( 水)ー15日( 火) 会期中無休 午前10時~ 午後8時
伊勢丹新宿店 本館5F【和食器】
●トークショーのお知らせ
3月5日(土)3時より
「コイズミデザインの素」
出演:小泉誠(家具デザイナー)高橋台一〈菜の花店主)
3 月12日( 土)3時より
「旅に出て、ものと出会って人と出会って」
出演:平澤まりこ(イラストレーター) 谷由起子(H P E J a p a n代表) 高橋台一
伊勢丹出店に伴い、小田原駅前・菜の花暮らしの道具店は、2 月2 6 日( 土) 〜 3 月1 8 日( 金) の期間お休みさせていただきます。スタッフ一同新宿店にて、お待ちしております。
赤木明登| 足柄茶|安土忠久| 荒賀文成|安藤明子| 安藤雅信|イイホシユミコ|伊集院真理子| 井山三希子|岩沢達|ウスタニミホ|内田鋼一|おおやぶみよ|小野セツロー|角漆工房|金塚晴子| かまわぬ|川口淳|カンダミサコ|神林學|村木雄児|黒田泰蔵|鯉江明|さかいあつし| 佐藤比南子|下本一歩| 後藤桃子|仁城義勝| 杉本光俊|スタジオ木瓜| 高澤ろうそく店|TAjiKA|辻和美|鳥居醤油店|ノモトヒロシ|長谷川奈津|長谷川まみ|花岡隆|早川ユミ|広瀬寛子|びわこふきん|BINhouse|フジタチサト|細川護光|ほっこり小豆パック|真木千秋|マルファクトリー|三谷龍二|森玄子|森岡成好|スタジオGENPU|モロッコのかご|monsakata|ヤチムン館|山口和宏|山下秀樹|やまね工房|ヨーガンレール・ババグーリ|吉田直嗣|ライフアファ|ラオスの手仕事
秦泉寺由子さん 竹染めの布展
初日はみぞれまじりの冷たい雨、それでもたくさんのお客様が秦泉寺さんに会いにいらしてくださいました。
スライドレクチャーでは、秦泉寺さんの、一つのことへ向かう情熱、パワーに圧倒され、終了後には、今、そのパワーを傾けていらっしゃる、食の話へと質問が続き、楽しく、刺激的な二時間でした。
レクチャー前には、パーカッション奏者の永田砂知子さんが、鉄のスリットドラム『波紋音』を、秦泉寺さんの衣装を身に纏って演奏してくださいました。
3日めの今日は晴れ。明るい日差しに竹染めの白さがより美しく見えます。
2月20日まで開催(16日は定休)
・竹染の布。秦泉寺由子
2 0 1 1 年 2 月1 1 日/ 金 - 2 月2 0 日/ 日
作家在廊日 1 1 日. 1 2 日 ¦ O P E N 11 : 0 0 ー 18 : 0 0 ¦ 定休日1 6 日(水)
・2 月1 1 日(金) 1 6 : 0 0 より
秦泉寺さんによるスライドレクチャーを開催します。
参加費1 , 5 0 0円 1 5名様まで
お問い合わせ・お申し込みは…うつわ・菜の花 T E L . 0 4 6 5 – 2 4 – 7 0 2 0
経済アナリストの藤原直哉が、「事に感じて瞬時に行動を起
こして成せる人は幸福な人だ。」という話をした。まさに秦泉
寺さんのことだと、はっとした。
35年ほどやっていたキルトを、英国のビクトリア&アルバート
美術館に永久収蔵された後、「私は食を始める」と言って、そ
こに真っ直ぐに向かっていった。
そのための家ができた時、呼ばれてすぐに雪の中、比叡山の
家に行った。大谷石を使った、台所というよりは広い調理場。
料理しながら食べられる。
土壁の風が通る茶室。何度も何度もやりなおした跡がうかが
えた。納得するまでにはどれほど時間がかかったことか。
寝室のキルトは、こんなりっぱなものをかけて寝ちゃあいけ
ないと感じるほどに素晴らしかった。しかし、よく眠れたのが
また不思議。キルトを生活の中で使うとは、こういうことかと
うならされた。
朝食には、旬なる野菜の美味しさ、滋養をいただいて帰って
きた。昨年の冬のことである。
今回は改めて、秦泉寺さんのプロフィールをたどってみた。気
になっていたあの白い竹染めのこと。
そのきっかけが、今井俊博さんの企画した「現代の道具展」で
あった。我が敬愛してやまない漆作家、角偉三郎とのコラボ
レーション。
私もそこに立ち合っていたのに、彼女のオーラが恐しくて斜
に構えて近づけなかった。角さんが「すごい人がいるんだよ。」
と何度も何度も言っていたのに…。20年も前のこと
一昨年、取り上げさせてもらって初めて、そのすごさを身にし
みて感じた。それはまず秦泉寺さん自体にだった。
あのコラボレーションで漆の朱や黒を前にして、それに負け
ない存在感のある色は何かとイメージしたものが「白」だった
とは知らなかった。
白い布に「白」を染める。バリの生活の身のまわりにある「青
竹でやってみたら」と啓示をうけた彼女は、かぐや姫の物語
のように竹が光り輝くかもしれないと思ったようです。でも失
敗は続いたようだ。
染め上がりはベージュ色になったが、洗って、洗って、洗ううち
に白くなり、干したら、太陽の光に当って、白の内に赤を内包
して、風にそよいでいたという。その時の感動は忘れられない
ようだ。
青竹によって布に魂が吹き込まれているのだろう。
それは精霊たちの宿るバリならではのこと。そして自然と交
感できる秦泉寺さんだからできることなのだろう。
僕は20年たってやっと出会えるようになった。
どうぞ元気をもらいに来ませんか。
秦泉寺さんのレクチャーもあります。
何日かは本人もおります。
梅香る、空の光の中で、見て、触れて下さい。
2011年1月吉日 菜の花店主 たかはしたいいち
秦泉寺由子 ジンゼンジヨシコ
1965 京都女子大学卒業/1968 -80 北米に滞在/1980「 ジンゼンジヨシコ・キルトグループ」結成/1983 ジャカルタにて「キルト展」開催/1991「 スタジオ・ジンゼンジーGRASS HOUSE」設立(バリ島・インドネシア)/1993 玉
川高島屋『現代の道具展』に始まる青竹染、天然染料の布、衣の展示会を、日本各地のギャラリー等で行う。/2005「 秦泉寺由子のキルトの世界」倉敷民芸館 岡山/2007「 秦泉寺由子 in Kouchi 特別展-キルトの世界 植物の神
彩」 牧野富太郎記念館 高知県立牧野植物園/2008「 QUILT Creation」秦泉寺由子のオリジナルプリントからキルトワーク 兵庫県立美術館
日本各地、ジャカルタなどで個展開催
次回企画展のお知らせ
辻和美展は1月24日で終了致しました。
次回、秦泉寺由子展は、2月11日より始まります。
(菜の花カレンダーでは2月4日からの予定でしたが、日程が変更になりました)
辻和美展
15日から始まりました。
たくさんの作品を前に、皆さん大いに迷っていらっしゃいました。
蓋つきのうつわや、大きな片口、定番のめんちょこやみにちょこなども並んでいます。
24日にまで開催しています(19日は定休)