吉田直嗣の白黒の器
2015年8月29日. 土 – 9月6日. 日
O P E N 11 :00 −18 : 00 定休日 9月2日(水)
作家在廊日 29日・30日
吉田直嗣さんは、どうも僕には黒田泰蔵さんのところから離れた人、というのがあるのかもし れない。そんなことで、白磁をやったらと言ってしまったりしてきた。でも、何故か黒田さん に近づくことをしない人だなあと思っています。10年。そんな彼からメッセージがとどいた。
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器を作るということが、波のように感じることがあります。 一定のリズムで寄せては返す波に同じものがないように、日々淡々と作る器 にも同じものはありません。その不揃いなのに気持ちの良いリズムの中に、 美しさのヒントがあるように思うのです。 独立してからようやく10年か過ぎた辺りから、少しずつ新しい事にも挑戦 したいと考えるようになり、白黒や銀縁など新しく始めました。 ちょっとずつ増えていく新しい波のピークを掴めるように淡々と頑張りたい と思います。
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〈気持ちの良いリズムの中に美しさのヒントがある〉 何故か、すごくひきつけられる文章に出会って、会いたいと思った。 自分のロクロの回転の中に、見て、出会って、作っているんだな、この人は。 と思った。僕もこのしばらくロクロをやっていないのですが、その瞬間はあるのです。 でもものづくりはしっかりと、そこで見いだし、つくりつづけることだと。 うみ出しているのは自分だし、見ているのも自分だし、意志をもった形にするのも自分の手だ と思います。その時は何もかも忘れているのかもしれないが、確実に覚えていくのも自分なの ですから。そんな一瞬の大切さを大事にして、日々、ロクロに向っているのですよ。貴方は。 僕はそう思って期待します。
2015年8月9日 店主 たかはしたいいち