小川待子のうつわ
2018 年
11月3日.土 ―11月11日.日
作家在廊日 3日 Open11:00―18:00
定休日 7日
この11月で、うつわ菜の花は20周年を迎えます。この間支えて くださった全てのお客様に、感謝の気持ちでいっぱいです。 和菓子菜の花の時代から、親交のある作家の方々を始め、参加し てくださった全ての作家の方々。その他毎月のように企画してき たコンサートや花会等で、協力してくださった方々も思い出され ます。皆様本当にありがとうございました。
海を見下ろすアトリエに、小川待子さんを訪ねた。 アフリカのマスクや道具、布。たくさんの書物に囲まれた、テーブルには、今 回のための作品が並んでいた。僕はびっくりした。圧倒される強さの茶碗。鈍 く光る金の色だった。 純度の高い金を使うことで、マットな質感になるのだそうだ。そしてザラッと した梨地の肌に吸い込まれた金彩は、割れ目にも入ってゆき、その陰影がさら に金に奥行きを見せている。小川さんは、以前は金をあまり使わなかった。人 生の時を重ねてきたことで、使えるようになったのかもしれない。まず飲みた い。月末の鈍翁茶会でも使ってみたいなあ。
もう一つ、心を捕らえられた作品は、「結晶と記憶」と名付けられている。 1230度を越える高温で焼かれた磁土の塊に、ガラスが大きな結晶のように ついている。太古の大地からちぎり取られたような力強さを持ちながら、磁土 は白く、ガラスは気泡のある柔らかさを見せ、底部は滑らかな肌の小さな点で 支えられていて、まるで王女のようだ。 形は、磁土を選び取るところから始まっている。と、話してくれたのが印象的 だった。
うつわ菜の花のオープン企画を飾ってくださったのは小川待子さんでした。そ して年月が経ち、今回20周年を、小川さんの作品展で迎えられることは、こ のうえない喜びです。
小田原で、お待ちしております。