藤井勘圿の絵

2017年7月22日/土―7月30日/日
作家在廊日 22日(土).23日(日).24日(月)
OPEN 11:00―18:00 定休日26日(水)

昨年、藤井勘圿さんのエゴの木の下を歩く古老の猿〈マシラ〉の絵をかけた。大きかった。

今年、蓮に惹かれていた自分は、蓮を中心にどうですかと声をかけた。自分も蓮を見ておかねばと、宇治の平等院に出かけた。小雨の中、蓮は美しかった。何故か咲く前のつぼみと蓮の葉にとどまる丸い水玉が良かった。「平等院蓮」という江戸時代の地層から見つけたものを育てているという。それが其処ここに置かれていて楽しませてくれた。蓮の花には心ひかれる。開いた花からは深い香りが漂ってくる。時を忘れさせるように。

勘圿さんの蓮はどうだろうか。その他には、赤いやぶ椿。下仁田葱。そらまめ。えんどう豆。三葉つつじ。椿と人物。などが登場します。

菜の花店主たかはしたいいち


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06. 7月 2017 by STAFF
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井上有一の書

2017年6月15日.木―6月21日.水
OPEN 11:00―18:00 会期中無休

5月、台湾の故宮博物館に行った。
何よりも顔真卿(がんしんけい)の書に会えると楽しみにしていたのだが、残念ながら、今回の展示では取り上げていなかった。画帳を見たが、それでも実によかった。
顔真卿は、僕にとって書を好きになった始まりの人である。顔真卿は唐の後期の玄宗皇帝の郡の長であった。安禄山の乱には息子や孫たちを戦争におくって、悲しみ、悶えた人でもある。そんな 思いの書をかつて、NHKで見た記憶がある。それは有一を知る前のことだった。有一に出会って顔真卿の臨書を果てしなく書いていたことを知り、そんな形で顔真卿がまた自分に巡ってきたのである。そして有一は顔真卿の臨書をしたからこそ、一文字一文字が生きているんだと思うようになった。唐代きっての書家、顔真卿の書と、精神的格闘の果てに「体当たりでどっぷりと一文字大きく書いて、ようやく匹敵する力が出た」と、有一自身も語っている。そうして有一は顔真卿から自由になり、一文字を書き続けていったのです。
今回はちいさな文字が多く集まりましたのでお楽しみです。
うつわ菜の花でお会いしましょう。
菜の花店主たかはしたいいち


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05. 6月 2017 by STAFF
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おおやぶみよ展ガラス

2017年6月3日/土 ― 6月11日/日
作家在廊日3日 OPEN 11:00 ― 18:00 定休日7日(水)

定休日に誤りがございましたので訂正いたします。
誤)14日(水)
正)7日(水)
DMを郵送しましたお客様にお詫び申し上げます。

今回は青をテーマで作ってみました。どこかに旅したときの記憶のタイルの青、壁の青、または植物の藍の青、鉱物の青、私の中の様々な青がテーマです。

頑なに色付きのガラスを作らなくなっている時期がありました。様々な青を作り出しても沖縄でガラスを作っていると沖縄の海の青ですね!としか言われないのに辟易していたからです。最近、年齢を積み重ね丸くなったからかそれもまた良し!(笑)と思えるようになりました。

今回は「琉球ガラス」と言われるのが嫌で(笑) 封印してきた泡の器もたくさん持っていき菜の花に一気に夏を運んで参りたいと思っております。宜しくお願い致します。
おおやぶみよ

おおやぶみよさんは、京都の生まれ。沖縄に居を構え、どっぷりと住みつづけそうである。大らかさ、肝の据わり方は、まるで沖縄の人のようだ。おもしろい。みよさんの生み出すガラスは、琉球ガラスではない、と、本人が言うように、みよさん自身を感じる、みよさんだけのものだ。しかし、そこにはやはり「沖縄で」生み出す必然が、どこかにあったのではなかろうか。封印していた、「青」も、「泡」も、引っさげて、「沖縄の」でも「琉球の」でもない「みよさんの」ガラスが、夏を運んでやってくるという。その思いを楽しみに受けたいと。
菜の花店主たかはしたいいち

沖縄・宗像堂さんのパンを販売いたします。
6月3日(土)10:00~ 6月4日(日)10:00~

石窯で焼かれた天然酵母のパンは、もっちりとして嚙めば噛むほど味わいが増します。卵や牛乳を使わず、とてもシンプルな素材で、こんなに も美味しいパンができるのですね。小田原で宗像堂さんのパンを味わうことができる貴重な機会となります。ぜひお越し下さい。
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17. 5月 2017 by STAFF
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張忠儀魂魄の絵。

ゲスト
神林學《彫刻》 安土忠久《ガラス》
森岡成好《陶》 内田鋼一《陶》

2017年5月13日/土 ― 5月21日/日
OPEN 11:00 ― 18:00 定休日17日(水)

張忠儀さんは昨年の秋に亡くなってしまった。今在る張さんの作品を見たいと思って、大阪のアトリエへ出かけた。

張さんの絵は、軍艦島・水島の絵がいくつかあり、こちらを惹きつけすごく新鮮でした。水島は今は観光で有名になり、誰でも行けるようになっていますが、当時彼は、こっそり漁船で渡って、そこでテントを張り、何日間か絵を描いていたようです。何ともない建物が、幻想的でかつリアル感をもって迫ってくる。それが魂魄のかたまりのように見えてくるのです。赤い大地とブルーグリーンの海と、くすんで焼けたような空が、心に浸みます。
また、若い頃の三部作屏風絵のニヒルでリアルな女性群像が、今だこちらを睨み返すような視線を向けてくるのには、ハッとしました。若いときの絵を大事に持っていたんですね。彼が願っていた気がして、それをどうしても今回掛けたいと思いました。是非見て下さい。最後の高島屋での作品は、光が発せられて交流する人物像でしたが、それは次の機会とします。
「小田原で追悼展をさせてください」とお願いしたところ、遺族の方から「見ていただくだけでもいいですか」と言われたので、私の持っている作品だけの販売とさせていただきます。それと友人たち、神林學さん、安土忠久さん、森岡成好さん、内田鋼一さん、の四名が参加し、作品を販売します。

菜の花店主 たかはしたいいち

◉次回予告 おおやぶみよのガラス/ 2017年6月3日.土 ― 6月11日.日


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02. 5月 2017 by STAFF
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望月通陽の世界

2017年4月22日/土―4月30日/日
O P E N 11:00―18:00 定休日 26日/水
作家在廊日 22日 11:00~16:00在廊
(出かけていれば会えませんが、気まぐれで)

久々に望月通陽さんの静岡のアトリエまで行って来た。 杉本光俊さんがカメラを構えて、何ともいえない形を撮っていた。 ブロンズのその詩神は、ちょっと横わきに人を抱えていた。 綺麗であった。 その人の内側から抱え持つ後ろ姿が、前から見た姿よりなお良かったのである。 また、小さな塊のような像が何体かあって、その一つ一つが何かを祈っている。 そんな思いを持つ自分が、今いるのだと、はたと感じた。
菜の花店主 たかはしたいいち

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望月通陽 (もちづき みちあき) プロフィール 1953年静岡市生まれ。染色、ガラス絵、ペン画、ブロンズ、鋳造ガラス、木彫、陶など多様 な技法を用い、型染めにより培われた形と線でユーモアに満ちた独自の作品世界を築い ている。2016年には長野県東御市の梅野記念絵画館にて個展「やがて行く庭」開催。 装幀、装画も多数。光文社・古典新訳文庫カバー画など手掛ける。1995年 講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。 2001年 ボローニャ国際児童図書展賞受賞。 著作に画文集「道に降りた散歩家」「方舟に積むものは」作品集に「円周の羊」などがある。


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16. 4月 2017 by STAFF
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加藤尚子ガラス

2017 4月8日.土―4月16日.日
作家在廊日 7日(土).8日(日) 定休日 12日(水)

私にとって制作とは、
母でもなく妻でもなく姉でもなく娘でもなく女でもなく
ただの私、に立ち返るみちのようなものだと感じています。
ただ目の前の信じたみちを進むことで、
必ずどこかへと繋がっていくという思いもあります。
山道を歩く、もしくは山に向うという行為は
自分がちいさなただひとつの生き物だということを
気づかせてくれます。
そんな感覚を思い出しながら、形にしていきたいと思っています。
加藤尚子

加藤尚子(かとう なおこ) 略歴
神奈川県横浜生まれ
1996年 女子美術大学芸術学部工芸学科卒業
1998年-2000年 グラスアートクラス代官山講師
2001年~ 女子美術大学芸術学部工芸学科非常勤講師

加藤さんの小さな文章の中にも、尚子さんがあらわ れてくる。
そして制作されたガラスの中からも、感覚的 にぶらりふらりと
よじりのぼっていく行程が見られ、おもしろくも、たのしく、思えてくるのです。
ガラスのカタチが重なり合い、尚子さんが向かおうとする方向がみえてくる。
自分はそのガラスの頂点を手でおっかけてみる。
みると書くと、見ているようにみえるのだか、自分の手がおおっているのである。
みえないものを、手でさぐりで、おおっていくのである。
2017年3月12日 髙橋台一


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23. 3月 2017 by STAFF
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二見光宇馬の陶仏。

2017 3月18日.土―3月26日.
作家在廊日 会期中全日/定休日 22日(水)

二見君の白い仏像を見ていると、心がゆったりする。
背筋が伸びて、気さくに座している。
細面だったり、ふっくらしたお顔だったり…。
じいっと目を凝らして見ていると、
顔は正面を向いているようなのに、
実は、ちょっとはすを向いている。
そこがまた何ともいえずいいのである。

京都の町中の町屋で、毎朝、朝早くから起きて、
照明も暖房も つけずに、正面を向いて作るんだといいます。
一対一で向き合って形にしていくことを考えると、
すごいことをしている人なんだなあと思います。

その二見君に出身を聞いてみたら、熱海なのでした。
2017年2月25日 うつわ菜の花 髙橋台一

 

二見光宇馬(ふたみ こうま) 略歴
1976年 静岡県熱海市生まれ
2001年 多摩川大学農学部農学科卒業
2008年 陶器にて仏像の制作を始める
2015年 京都に工房を移す

展覧会歴
FOXEY aoyama(2012)・阪急うめだ本店(2013)・新宿タカシマヤ(2013)・日本橋髙島屋(2013)・gallery aTo(2014)・kou 昴 kyoto(2014)・FOXEY aoyama(2015)・gallery aTo(2016)・日本橋髙島屋(2016)


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07. 3月 2017 by STAFF
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安藤雅信の陶

2017 2月18日.土 ― 2月25日.土 最終日は15時まで
作家在廊日18日.19日(19日は午前のみ) 定休日 22日(水)

イベントのお知らせ
2月18日(土) 菜の花中国茶会 亭主 安藤雅信
1回目/15時~ 2回目/16時~
参加費 2,500円 各回定員5名様
◯ お電話にてお申込み下さい。0465-24-7020(11時―18時)

安藤さんを迎えるのは久しぶりである。
昨年暮れに電話をしたとき、安藤さんは北京にいた。
日本の工芸は、日本から台湾に向かい、中国大陸へとどんどん受け
入れられ、その中心のひとりに安藤さんがいる。
日本の作家たちが中国の雑誌にもすごく載りはじめ、モダンな
ギャラリーができ、日本のギャラリーの紹介が今年から始まる。
菜の花も載るそうです。
古いもの好きな安藤さんは、ピューター、李朝、などの美しい形
をよく知っている。そして、安藤さんの心と手を経てうまれてくる
ものは、まぎれもなく安藤さんの形だ。
中国との行き来の中で、安藤さんがつかみとったものは、どのよう
な形で出てくるのか、楽しみである。今回、中国茶の世界を、初日
の菜の花茶会で垣間見せてもらうことになった。ぜひお楽しみに。

2017年2月4日 立春 髙橋台一

スクリーンショット 2017-02-06 17.59.24
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次回予告
菜の花暮らしの道具店in 伊勢丹新宿店
伊勢丹新宿店本館5階 3月1日.水―3月14日.火

06. 2月 2017 by STAFF
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辻 文夫の世界。

2017 1月21日.土 ―1月29日.
作家在廊日 21日.22日.28日.29日 定休日 25日(水)

僕が18才の時やきもので感動した人が、
辻清明さんという信楽焼の人でした。
その息子が辻文夫さんです。
文夫さんも最初やきもの、九谷焼の研究所でやっていたのです。
でも病気をして、それから今の不思議な、
ティッシュを使った絵を描き始めたのです。
色の良さはフランスの絵の具なんですね。
僕は感動して今回で2回目のカレンダーを造りました。
今回は自意識をもって向って格闘しているように伺える世界がでています。
おもしろいことがどう産まれるのか、
どこまで続くのか興味があります。
このカレンダーをもとに新作が加わって、
面白い世界がつくられていくことでしょう。
2016年12月24日 髙橋台一

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06. 1月 2017 by STAFF
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若杉聖子の白磁。

2016 12月17日.土 ― 12月25日.作家在廊日17日(土)
open 11:00ー18:00 定休日 21日(水)

若杉さんが、一年間の文化庁派遣のフランス留学から帰ってきて、京都でお会いした。
昨年の暮れに“一年後のクリスマスの個展ですが、いいですか”の一言で本当にやって下さることになったのです。
受け入れ先のフランス リモージュの学校は、窯業地ということもあり、若杉さんの仕事である鋳込みの設備が、整っていたそうです。鋳込みの仕事は、溶かした土を型に流し込み、焼き上げて型から外したあとは、ひたすら磨いて仕上げるそうです。若杉さんの作品から、僕が感じる、鋭さと、柔らかさ、奥が透けているように見える白磁は、こうした手をかけた仕事からうまれてくるのでしょう。

滞在中は、制作だけでなく、積極的にたくさんのものを見て、いろいろな経験をし、想像力を活気させていたという若杉さんですが、一人異国で暮らすことで、日本を意識するようになり、様々な場面で「違い」を感じ、そのことにより日本について考えるようになったと。

若杉さんは、この写真のようなオブジェのほかに、うつわも多く作られます。このことについて、オブジェのようなアート的なものは、自分の好きなように表現できる。一方うつわは、アートとして見られない傾向もありますが、日本の陶芸は、うつわから始まっているともいえる。うつわのような日常のものを作ることは、制約があるので、そのことでより自分が鍛えられる、という若杉さん。この言葉は、フランス留学で、日本を意識したということと、通じるように思いました。

今回、初めての場所なのでオブジェ、花器から、うつわやポットまで、色々持ってきてくださるとのこと。うれしいです。
若杉さんは、人にはない世界を表現されてハッとさせられます。びっくりしてたじろいではいられない。フランスに行ってそのすごさが増してきたというより、もっと本質的なものを感知して形になっているのではと思います。
2016年12月1日 店主 たかはしたいいち

若杉聖子
1977 富山県富山市に生まれる
2000 近畿大学文芸学部芸術学科陶芸コース卒業
2002 第6回国際陶磁器展美濃(05審査員特別賞)
2003 多治見市陶磁器意匠研究所終了
2007 工芸都市高岡クラフトコンペティション(奨励賞)
第4回京畿道世界陶磁ビエンナーレ(韓国)
2013 「富山ゆかりの作家たち展」(楽翠亭美術館)
2014 第9回パラミタ陶芸大賞展(パラミタミュージアム)
「融合する工芸」(銀座和光ホール)
2015 文化庁海外派遣によりフランス留学
2016 10月帰国

20161205_03

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06. 12月 2016 by STAFF
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